【レビュー】小学館の図鑑NEO カブトムシ・クワガタムシ

ドォォォォオオオォォォォオオオォォォォーーーン!

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 は~いっ、ということで。

お部屋の掃除をしていたら本棚から懐かしいものが出てきました。

 

そう、図鑑NEOカブトムシ・クワガタムシ。本書は小学館の図鑑NEOシリーズに含まれる一種で、昆虫の中でも特にコガネムシ上科にスポットを当て構成されています。

個人的に好きな図鑑なのでこの場を借りて紹介させていただきます。

書籍概要

本書は2006年出版(小学館)の図鑑でございます。前述したとおりコガネムシ上科、主に国内外産のクワガタムシとカブトムシ、ハナムグリやカナブンについて書かれています。 

2006年出版と聞いてビビッと来た方は僕と同世代かも知れません。そうですね、当時大ブームとなって甲虫王者ムシキングが生きをしていた時期であります。私はよくノコギリクワガタにスーパーランニングカッター,必殺ふうじ,はんげきかいふくのカスタマイズを...危うく脱線するところでした...。詳細は分かりませんが恐らく需要が高く出版に踏み切った一冊なのではないかと思っております。

  

良い点

  • 種類ごとのほぼ原寸大の写真

ルリクワガタなどの小型種を除き、上面から標本を撮影した画像が載っています。全編カラーなため色彩等もしっかり知ることができます。小型種は拡大したものになっています。雌雄で載っているため、雌のおおまかな形態的特徴を掴むのにも適しています。

  • 和名と学名の記載

コクワガタ Dorcus rectus のように、和名と学名(二名法に基づく)の二つが記載されています。学名は一見必要ないように思われる方もいますが、彼らを系統的に理解する際や、海外の記事から該当種の情報を検索する際に便利です。 

  • 体長や主な生息地の記載

雌雄について大まかな体長(体の大きさ)と、生息地が記載されています。体長については、似た形態で判別の難しい種であっても体の大きさに大きな差異が認められる場合があり、同定の手がかりになることもあります。生息地記載について、国内種においては「北海道~九州」など日本列島のどこにいるかまで記されています。

  • 現地での生態に関する記述

各種どのようなところで、どのように生活しているか記載されています。例えば「タウルスヒラタクワガタは日中は樹液の出ている木の根元にいる」など。また幾らかの種は著者自身が現地調査をしており、写真と解説を用いて生態を紹介しています。

  • 専門用語についての用語集ページがある

P.174-175は用語集になっており、くち木や立ち枯れなど、普段専門誌で目にする程度の用語については解説がされています。

悪い点

  • 亜種までは記載されていない

詳細な亜種の記載はありません。例えば9亜種が知られるギラファノコギリクワガタ(Prosopocoilus giraffa)のページには2亜種(keisukeiとdaisukei)がそれぞれ図でありますが、産地の違いのみで亜種については言及されていません。

  • 通名称(一般的な名前)は載っていないものがある

たとえば一般にシロヘリミドリツノカナブンとして流通する Dicronorhina derbyana  (図1)は図本書ではシロスジオオツノカナブンとして紹介されています。このようなパターンでは、調べたいページを探すのに手間がかかる可能性があります。

                       ※今のところ私は困っていません。

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       図1.ネット検索で該当したシロヘリミドリツノカナブン

  • 種の同定には向いていない

大まかな同定には向いています。向いているのですが、外部形態の文章での説明が乏しく専門書の検索のような利用には期待できません。あくまで写真がメインの図鑑です。

  • 携帯には不向き

まぁこれは...図鑑だから仕方はないのですが、大きいです。外で捕まえたカナブンやクワガタを調べるのには向いていません。

  • やはり高価である

人によりけりですが高いと感じる方もいると思います。図鑑という性質上本体2000円+税となっています。購入の際はamazonなどで中古品を探すのが良いでしょう。

           (以下の画像からamazonに飛べます。)

              

 

 総論

あくまで児童向けの内容でありますが、後半のモノクロページには結構マニアック学術的な内容もあり、カブトムシ・クワガタムシの基礎知識を学ぶ入門書的な使い方もできます。大学生にもなると学内にもっと細かい専門書(世界のクワガタムシ図鑑など)がありますが、安価でメジャーな種が画像付きで掲載されている本書は、持っていても損はないと思います。