【レビュー】ぼくらのクワガタムシとカブトムシの飼い方 (ジュニアライブラリー)

f:id:Prosopocoilus:20170213180402j:plain

 

 またまた部屋の棚から出てきました。小学生の頃はこうゆうハンディなクワガタ虫関連の書籍を見つけるたび、少ないおこずかいを全振りして購入していました。

 

ぼくらのクワガタムシとカブトムシの飼い方(ジュニアライブラリー)

吉田賢治監修、成美堂出版の本書は国内に生息するクワガタムシ31種類、カブトムシ4種類の紹介から、それぞれの採集方法までイラストを用いて解説されています。

 

書籍概要

2003年出版の本書。監修は業界では名の知れた吉田賢治さんが行っております。本誌前半部は殆どがカラー印刷で、各種の説明は①和名②体長③生息地④好む木の種類と習性⑤採集時期の5項目と雌雄の写真が添付されています。図鑑NEOと異なり、採集時期の記載があります。この点より、ある程度知識を有する人向けに書かれたいえます。ルイスツノヒョウタンクワガタやマダラクワガタについてもしっかり載っているところが流石吉田さん、といったところでしょうか。

それでは簡単に良し悪しを見ていきましょう。

良い点

各種の分布域について、イラストに起こした日本地図で視覚的に表現されています。

  • 体の仕組みや生態についての記述が多い

ノコギリクワガタなどで顕著な大歯,中歯,小歯などの個体変異や、1年1化などの化性についても紹介されています。基本となる幼虫から成虫までの工程や天敵などにも触れており、彼らを知るうえで基礎として知っておきたい内容の多くが盛り込まれています。

  • 採集に関する情報が多い

例えば同じ生息域を持つクワガタでも、ノコギリクワガタは木の上位に、ヒラタクワガタは中位に、ネブトクワガタは根本を中心に潜んでいる、など、彼らの生態に基づいた採集方法が明記されています。ルッキング採集や灯火採集、材割りなど各採集法についても必要な道具や具体的なやり方が記されています。

  • 標本の作り方の記載

酢酸エチルに関する記述から、展足、ラベルの管理まで丁寧に書かれています。

  • Q&Aページ

個人的に一番推したい点です。ツノが折れたときの対処法などをはじめ、呼吸に関わる気門や神経、消化管についての説明もされています。まさか児童書で神経球やマルピーギ管が出てくるとは思いませんでした。(バチルス菌を思い出す内容だ...)

悪い点

  • 2003年のデータで述べられている

これは仕方がないことではあるのですが、データが古いです。現在採集禁止になった種についても採集法が書かれているため、注意が必要です。マルバネクワガタの仲間や奄美大島原産の固有ミヤマクワガタやシカクワガタなど、採集が禁止されているものも多いです。必ず、一度確認してから採集の予定を立てましょう。

参考として有限会社むし社様のHPにある採集禁止リストを載せておきます。

  • 記載された飼育方法について不安がある

例えばP.76にある幼虫の飼育では、朽木を砕いたフレークを瓶に敷き詰め飼育する、と明記があります。あまり大きな破片では初齢幼虫が利用できない可能性があります。私が現状割り出しは行わず幼虫の成長を待って取り出します。14年もたつと飼育方法も進化していますので、これに関しては最新の文献やネットで確認するのが望ましいでしょう。

 総論

もう昔の本になってしまいましたが、今読むとなかなかに面白い。どちらかと言えば読み物って感じです。消化管とか大学の講義で扱う内容ですし、案外攻めた内容といえます。amazonで調べたら破格で取り扱われているので、虫好きな方は是非ご一読いただければと思います。 

  気になったら是非チェックしてみてください。